大田区南雪谷にある、李耳鼻咽喉科|耳鼻咽喉科

03-3727-3387

〒145-0066
東京都大田区南雪谷3-19-2

メインメニューを開く MENU
  • HOME
  • 舌下免疫療法

舌下免疫療法

当院ではスギとダニの舌下免疫療法の治療が受けられます。

国民の3人に1人がスギ花粉症と言われています(環境省 花粉症環境保健 マニュアル 2022より)。スギ花粉症ですが、これまでは一時的に症状を緩和させる、いわゆる対症療法で治療を行い、根治療法は減感作療法と呼ばれる定期的に通院して注射を行う治療がありましたが、注射による痛みを伴うなどのため一般に普及するまでは至っていませんでした。2014年10月にスギ花粉症の舌下免疫療法の治療薬である「シダトレン」が発売となり、当院でも2015年7月から治療を開始しています。同様にダニに対する舌下免疫療法も行っています。

マスクしている女性

1.免疫療法とは

免疫とは異物が生体に侵入しようとした際に、除去しようとするいわば生体の防衛反応です。スギ花粉症もスギ花粉に対する免疫反応の一種と考えられます。免疫療法とは、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)を少ない量から徐々に増量して体内にいれることで、体質を少しずつ変えていき、最終的にはスギ花粉やダニに対するアレルギー反応が出なくなるという根治療法です。

2.治療の対象となるのは

スギ花粉やダニに対するアレルギーを持っている5歳以上の方が対象となります。過去2年以内に施行したアレルギーの採血結果にてスギ花粉の陽性反応のある方を対象としますので、採血を受けたことがない方や古いデータの方は当院で採血を受けた上で治療の適応について相談させていただきます。以下の方は治療の適応外となります。

  • 妊娠している方、近いうちに妊娠を希望されている方。
  • 重症の喘息を合併している方
  • 重度の心疾患をお持ちの方
  • がんの治療をしている方
  • 免疫不全の病気の方、他の疾患の治療等で免疫抑制剤を使用している方

問診している医師

3.治療開始時期

新規で治療を始める方は副反応の出現する危険性が高まるため、スギ花粉の飛散時期は治療を開始できません。当院では治療開始の時期は5月中旬から12月下旬までとさせていただきます。維持期に入った方はスギ花粉の飛散時期も治療を継続します。ダニは年中いつからでも開始できます。

4.舌下免疫療法の進め方

シダキュアというスギ花粉を抽出した薬剤やミティキュアというダニから作られた薬剤を、舌下(舌の裏、吸収が良い)に滴下し、そのまま1分間舌下に保持し、飲み込みます。1週間は導入期の薬剤を使用していただき、2週目からは維持量の薬の舌下投与を毎日続けます。1回目の投与だけは当院の院内で行い、即時型の副反応の有無を確認したうえで、それ以降は自宅で行っていただきます。
治療期間は3~5年くらいは続けていただくことになり、長期間の治療となります。

薬を飲む女性

5.治療の副作用について

治療薬自体が、スギの花粉やダニから抽出されたものであるため、薬害としての副作用は生じにくいと考えられますが、アレルギーのある方にアレルギー原因となる物質を投与するため、副反応としてのアレルギー症状がでる危険性があります。口腔内の腫脹やかゆみ、胃腸症状といった軽微なものがほとんどですが、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応が起こる可能性は否定できません。治療開始の際に、副反応の内容と対処法については詳しくお話しします。

6.治療作用について

これまでの報告では治療を受けた方の80%以上の方がその働きを実感しています。免疫療法はスギ花粉症やダニに対するアレルギー性鼻炎を根治させる治療法と言われています。

7.治療対象として推奨されるのは?

若年者。
若い方は、これから長期間スギ花粉症に悩むことになるので、現状では5歳以上から可能で、早い時期からの治療することが大切です。高校、大学受験の時期がスギ花粉の飛散時期と重なるケースもあり、そういった面からも早めに受診していただくことが重要です。

高校生

薬の多い方、眠くなる方。
毎年、スギ花粉の時期に多くの薬を服用し、眠気の副作用が出やすい方にも治療を受けていただけます。免疫療法施行中であっても内服薬の併用は可能ですので、症状の重い方の薬の減量にも免疫療法は有用です。

あくびをする女性

将来、妊娠、授乳の際に内服薬を服用できないのが心配な方。
将来的に妊娠、授乳の際に薬が使えないと心配されている方には良い治療法と考えます。

妊娠中の女性

当院ではスギ花粉症に対するレーザー治療も行っております。舌下免疫療法により、治療の選択肢が増えたことは望ましいことで、アレルギー性鼻炎に悩んでいる方は一度来院してご相談いただければと考えています。